たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2004-08-03

Vol.201 冷房の冷え

猛暑が続いています。ニュースでは熱中症が報じられ、これからが思いやられます。こんな風に暑い夏でもなんとか乗り切れるのはクーラーがあるからで、今更ながら電化製品の有難さを感じます。
しかし、一日中クーラーのある部屋にいる人にとってクーラーによる過剰な冷えは悩みの種です。長時間冷房の中で過ごし、自律神経に異常きたす人もいます。

快適なはずの冷房も外気との差が大きいほど体にきつく感じられます。理由としては人の体が季節に合わせて変化していることにあります。

夏は外気の暑さが体内まで及ばないよう、体表で熱を調節する必要があります。発汗による体表温度の調節です。すぐに発汗できるよう末梢血管の血流が盛んであり、汗腺が開き易くなっています。
夏向きの体は発汗が盛んな体です。このような夏向きの体に冷房の冷えは体表から入り込み、末梢血管が冷やされ血流が低下します。

日経ヘルス2004年8月号によれば、冷房が効いた部屋で寒いと感じたときは末梢の血流が通常の3分の2以下に低下し、体表温度も2℃くらい下がっていると記載されています。
又、室内外の温度差については6℃以上になると注意が必要とあります。

冷房の冷え込みは屋内外の温度差が大きいほど激しく、自律神経の働きが乱れます。爽やかな汗が出なくなったり、疲労感が抜けなかったりと体調が乱れる前に早めの対策が必要です。対策として、衣類を着込む・スポーツで汗を出すなどあります。
衣類による保温は、首・お腹などの太い血管の集まる場所や、血管が筋肉で保護されにくい足首などの保温が効果的とのことです。