たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2004-03-07

Vol.196 肝臓を労わる

立春過ぎとはいえまだまだ寒い毎日です。当店付近ではすでに杉の花粉が窓枠に黄色く積もり、春の到来を告げます。
今の季節、暮れからの飲み会続きで肝臓が疲れ、体調が優れない人が多くいます。楽しい酒は生活に潤いを与える反面、飲み過ぎると肝臓が疲れパワーが減退します。

肝臓は人体最大の臓器です。直径1ミリほどの肝小葉が集まって出来ていて、動脈、静脈、門脈の3本の血管が出入りし、肝動脈からは酸素に富む血液が、門脈からは消化管と脾臓からの栄養分に富む血液が流れ込みます。

肝臓は物質の代謝・合成・排泄・解毒などに働きます。コレステロールの合成、ブドウ糖をグリコーゲンに変換、アルブミンの生産などを行い、不用な物質を分解して胆汁の中に出します。
胆汁は1日約1リットル生産され、その半分は胆嚢に貯蔵され、必要に応じて分泌されます。胆汁を運ぶ管(胆管)は膵臓に入り込み、膵液と合流して十二指腸に注がれ腸液と共に食物の消化吸収を行います。
飲酒などで肝臓が疲れるとこれらの働きが低下するので、胃腸の働きも鈍ります。
弱った胃腸は炎症が起き易くなり、その炎症の刺激によって結腸が蠕動運動を起こし、便となるべき消化物から充分に水分を吸収出来ないうちに排便を起こすと下痢になります。
下痢や腹痛が起き食中毒かと思ったが、実は過剰な飲酒で肝臓や胃腸を酷使していたなどということがあるわけです。

肝臓は又、体温を調節する臓器でもあり、肝臓の疲れから冷え性になることもあります。肝臓を労わればパワーが充満し冷え性も改善されるわけです。

多くの働きを持つ大切な肝臓ですが、それだけに十分な栄養が必要です。昔からある田七人参は肝臓に栄養を与え、肝臓を養います。