たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2004-10-11

Vol.202 八ツ目ウナギ

猛暑も遠い話のような日々、体は楽になりましたが秋特有の変わりやすい天候に、乱される体調を維持するのはなかなか大変です。
このような時期には冷たい飲み物は控えめにし、なるべく温かいお茶を飲むなど、夏の疲れが取れるよう、内臓を労わる食生活が大切です。
ウナギ・サンマ・秋さばなどの魚類は、夏バテした胃腸に負担をかけない、最適な栄養源です。

ウナギに似ているのにウナギと異なる科に属し、しかも栄養はウナギに匹敵する魚類に八ツ目ウナギがあります。八ツ目ウナギはウナギに似た魚類で、目の後ろには七対のえら穴が並び、目が八個あるように見えるので八ツ目ウナギと呼ばれます。
八ツ目ウナギがウナギと異なる点は、ウナギのように顎の骨が無いことです。八ツ目ウナギの場合、口は円形で吸盤のようであり、大きな魚に吸い付くことが出来ます。丸く切れ目のない吸盤形をした口で大きな魚に張り付き、魚の血液が凝固しないよう唾液腺から出す分泌液で浸し、赤血球と筋肉を溶かし栄養を吸い取り生活します。

八ツ目ウナギは川で生まれ、幼生期は川底の泥中に住み、有機物を濾過し食べて育ちますが、やがて成長とともに海へと移り住み、特徴のある丸い口で大きな魚に吸い付き栄養を蓄えた後、川へ戻り産卵します。

八ツ目ウナギはビタミンAが豊富なことから、昔から夜盲症の民間薬として用いられますが、子供の成長や疲労回復にも役立ちます。丸干しを食べたり、蒲焼にしたりと食べ方も様々、粉末や肝油も市販されています。
日本で用いられる八ツ目ウナギはカワヤツメと言われる種類です。