たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2005-07-22

Vol.214 熱中症

梅雨明けに早くも夏の太陽が照りつけます。6月はフェーン現象で悩まされ、7月は曇ると涼しい。晴れると急に気温が上昇するという温度差が激しい気候に体温調節がうまくいかず、なにかと不調を訴える人が多かった月でした。このような体調を引きずったまま夏の暑さに突入するのは大変なことです。不調だった人を含め、熱中症の対策が必要です。

熱中症は必ずしも高温時に起きるとは限りません。低温時でも体内に熱がこもると起き易いことが日経新聞2005年7月21日夕刊に記載されています。
記事によれば、多湿時は高温でなくても熱中症が起きやすいとのこと、多湿時は熱がうまく発散されず体にこもり、体温を上げるためです。また、小中高の部活などで起きた熱中症による死亡事故の約4割が30℃未満の気温であるとのこと、高温時の野外、熱気のこもった屋内のいずれにも熱中症の危険は潜んでいるわけです。
屋内熱中症はエアコン嫌いな高齢者が水分補給を怠ることによって汗をかかず体温が上昇、熱中症になることが多いそうです。ちなみに室内温度は27℃前後が適当で、窓を開けても気温が下がるとは限らないので、エアコンの上手な活用が大切です。

熱中症は症状により分類されます。
皮膚血管の拡張で血圧が低下し眩暈を起こす「熱失神」。脱水症状で頭痛や吐き気がする「熱疲労」。大量に汗をかき血中の塩分濃度が下がり筋肉に痛みを伴う「熱けいれん」。最も危険なのが急激な体温上昇で意識障害を招く「熱射病」で、激しい運動などの後体調が狂い、体温が一気に40℃以上に上昇し、30分足らずで死亡するケースもあります。

熱中症対策として、直射日光を避ける、室温に気を配る、水分補給を忘れない、汗をかいたら塩分を補給するなどありますが、熱中症かなと思ったら、風通しの良い日陰や冷房の効いた場所に移動し、首や脇の下、足の付け根などを冷やし体温を下げることが大切です。又、もし少しでも意識障害があったら救急車を呼ぶことが必要です。

熱中症に関する気象条件は温度・湿度・風速・直射日光です。予報は日本気象協会のHP「熱中症予防情報」で見られます。
http://www.tenki.jp/heat/