たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2005-02-16

Vol.206 風邪症候群

立春を迎えても依然として寒さが続き、一向に治らない風邪に手を焼く人も多いようです。去年ひどい風邪に罹ったからもう大丈夫と安心していたら、又同じような風邪に悩まされることもあります。「一般用医薬品学概説」より、風邪についての記載をご紹介してみます。

風邪は、普通感冒・インフルエンザ・気管支炎・咽頭炎などを総称して「風邪症候群」と呼ばれます。
風邪症候群の原因は80%~90%がウイルスです。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、レオウイルスなどが知られ、それぞれについて多くの亜型が存在します。

例えば喘息発作との関連が指摘されるライノウイルスの場合、100以上の亜型が存在します。
ウイルス以外ではマイコプラズマ、クラミジア、細菌、A群β溶連菌や肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジアなどが起因菌に加えられます。
このように多くのウイルスなどによって引き起こされる風邪症候群ですから、今罹っている風邪がどのウイルスかと、検査無しで特定するのは困難です。

風邪症候群のうち、鼻づまり・咽頭炎などで始まる普通感冒は発病が緩慢、悪寒や発熱も軽症で、養生すれば一週間程で回復します。
それに対しインフルエンザは急激に発病し、強い悪寒と発熱、腹痛・嘔吐・下痢・筋肉痛など症状が激しく出ます。気管支炎や肺炎を併発し易いので注意が必要です。

インフルエンザウイルスは特に寒さと乾燥を好むので、寒いほど蔓延します。普通感冒もインフルエンザも、いずれの場合も安静にして、睡眠を妨げる症状などを軽減し、治癒力を高めることで回復しますが、養生を怠り無理をすると、ウイルスと細菌の混合感染が起き、重い症状となることもありますから、一にも二にも養生が大切です。

風邪症候群のウイルス感染は飛沫感染と接触感染によります。ウイルスの効果的な予防方は、人ごみを避ける、手洗い・うがいをする、マスクの着用などがあげられます。

2005-02-02

Vol.205 フカヒレ

立春を前に寒い毎日です。寒むさには鍋物やスープが一番ですが、もう真冬の鍋物は体が要求しません。春先のスープには食べ易い中華風フカヒレスープなどはいかがでしょうか。

フカヒレは別名「さめひれ」「きんし」とも呼ばれ、大変に栄養が豊富です。牛肉や豚肉を上回るたんぱく質・カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・鉄・亜鉛を含有、その他として水分・脂質・カリウム・リン・銅・マンガンを含有します。
ビタミンとしてはD・E・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸を含有するので、貧血の改善や元気の出る食品として活用できます。

フカヒレのネバネバした成分は複合炭水化物で、コンドロイチンやグルコサミンなどが含有されます。
フカヒレの成分は肌や粘膜、じん帯、軟骨などを強化し、内耳の衰えを改善し、耳鳴りや眩暈を予防する働きを持つ成分です。老化に伴い減少していく体の部分を補う成分として役立ちます。

フカヒレは「サメの軟骨」として粒や粉末に作られたものがサプリメントとして販売されています。
栄養豊富なフカヒレですが、含有成分の中、脂質はかなり低いのですが、コレステロールが多いのが気になります。
コレステロールは細胞膜の原料になり、胆汁酸や各種ホルモンの原料にもなる大切な栄養分であり、摂取は欠かせません。
しかし既にコレステロール値の高い人にとってはコレステロールを多く含有する食品の摂取は抑えるほうが良いので、コレステロール値の高い人がフカヒレスープを食べるときは、具の野菜を主に食べるのがよいでしょう。