たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2007-10-14

Vol.237 疲労物質

観測史上初といわれた暑さにも、また、急に涼しくなった秋風にもめげず、ラジオ体操やウォーキングで健康づくり。当店近くの早朝の川辺は、いつも熱気であふれています。

ウォーキングなどの有酸素運動は、肺の働きが活発になり、酸素の取り込みが良くなるので、疲労しにくい身体作りができます。

運動に必要なエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアが作り出す「アデノシン三燐酸(ATP)」で、その原料は炭水化物(糖質)です。
血液中の糖分が使われますが、運動を続けるには血糖だけでは不足してしまうので、筋肉や肝臓に貯蔵されるグリコーゲンも使われてATPを生産します。

このときに必要なのが十分な酸素で、酸素の取り込みが不十分だと、エネルギーを生み出す働きが低下し、乳酸などの疲労物質が筋肉中に滞ります。そのため、血液の酸化を招き、筋肉の収縮を阻害し、疲労を感じてしまいます。

エネルギーの生産には十分な酸素が必要なので、普段から心肺機能を高めておけば、エネルギーを生み出しやすい身体になるわけです。

乳酸などの疲労物質は時間が経つと自然に消えます。休息すれば疲労は取れるのですが、血流が悪いと乳酸が消えにくく、疲労感が残ります。

乳酸を早く消す方法としては、クエン酸などの酢の摂取が効果的です。酢は乳酸を炭酸ガスと水に分解して体外に排出するからです。レモンや酢の物、酸味の果物などは疲労回復を高めます。

豚肉や大豆などに多く含まれるビタミンB1も乳酸を溜まりにくくする成分です。バランスのとれた食生活と適度な運動が、疲労をためない身体を作ります。

サプリメントとして、最近テレビや新聞などで取り上げられる「冬虫夏草」というキノコも、疲労回復によいキノコです。成長した冬虫夏草は最近値上がりしていますが、菌糸体で作られた上質の粉末「冬虫夏草の菌糸体」が、入手しやすいお値段で販売され始めました。冬虫夏草は古来より心肺機能を活発にし、酸素を取り込みやすくすることで有名です。