たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2006-05-31

Vol.223 熱中症の手当て

昨年は、米国のハリケーン、欧州の猛暑と、地球温暖化が一因と見られる世界的な異常気象が伝えられましたが、今年はどのような夏になるのでしょうか。

この5月、車中にいた子供が熱中症で死亡したとのニュースが流れました。
昨年の日経新聞2005年7月18日朝刊にも、親がパチンコ店で興じている間、車の中に子供が放置され、熱中症により死亡する事故についての記載がありました。記事によれば車内放置による死亡事故は8年間で16人。その全てが4歳未満という痛ましい話です。
夏の炎天下で車を南向きに駐車した場合の車内温度の実験を、日本自動車連盟が行った結果、車外気温31℃の時、なんと車内は60℃になるとのこと。
これではどのように対処しても熱中症を免れることはできません。

夏に向けて注意したい熱中症、対策は暑さを避けることにあります。もし少しでもあやしいと感じたら、早めの手当てが大切です。

長時間炎天下にさらされ、めまいを起こしたら?
頭痛や吐き気があるかを確かめます。軽いめまいだけなら皮膚血管の拡張による血圧の低下。涼しい場所に移動して足を高くして寝かせ、うちわで扇ぎ水分を補給します。

高温多湿の場所での労働や運動などで多量の汗をかいたのに、水分や塩分を補給せず脱水状態になり、吐き気や頭痛がしたら?
このような時は(1)涼しい場所で足を高くして寝かせ、意識があれば薄い食塩水やスポーツドリンクを飲ませる。(2)意識が薄れ皮膚が冷たいときはショック状態なので、身体を締め付ける服を脱がせ、足を高くして寝かせ保温し救急車を待ちます。

部屋の換気が悪い高温多湿の場所で、体内に熱がこもって倒れたら?
まず体温を下げるのが先決です。方法としては(1)風通しの良い場所に寝かせ、衣服を脱がせ風を送る。(2)全身に水をかけながら扇風機で風を当てる。扇風機がなければ衣服であおぐ。(3)全身をマッサージすると抹消血管が拡張し体温が下がる。

熱中症はいずれの場合も、救急車を待つ間の手早い手当てが大切です。