たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2006-04-18

Vol.222 リンパの流れ

禍福はあざなえる縄の如しなどと言われるように、良いことだけの人生はないようで、人間誰しもいやなことが起きます。そのいやなことを最後までやり通さねばならないとしたら、大部分の人が大きなストレスを受けることでしょう。
ストレスは体内に活性酸素を生み出し、健康を害することが知られていますが、大切なリンパの流れにも支障をきたすとのことが、日経ヘルス2006年5月号に記載されています。

リンパ管は静脈と共に体内水分を回収するリサイクルシステムです。
体内の水分は、通常静脈に乗り抹消までくると、90%は静脈に乗り心臓へ戻され、残りの10%はリンパ管が回収し心臓へと戻します。水分は動脈の壁からも滲み出しますが、静脈とリンパ管が吸収して心臓へと戻します。

水分をリサイクルする静脈とリンパ管については、静脈が単なる水分の回収なのに対し、リンパ管は脂肪や病原菌などの老廃物を含む水分を回収する点にあり、働きが異なります。リンパ管は回収した老廃物を無毒化したあときれいな水分にしてから静脈と合流、心臓へと戻す大切な役割を担っています。

もし静脈の働きが低下すれば浮腫みが生じ、リンパの働きが低下すれば解毒力が低下します。この大切なリンパの働きを低下させる原因の一つが、楽しくなく、最後までやりとげなくてはならないことを行うこと、例えば「親の介護」「葬式の参列」「引越し」などが挙げられるとのことです。

いやなことへの解消法は楽しく身体を動かすことと記載されていますが、解毒を高めるシャンピニオンの摂取なども、案外よいかもしれません。

2006-04-14

Vol.221 ワサビの健康成分

ワサビは清らかな水で栽培され、飛鳥時代から薬用として利用されてきました。
長いのは茎が1メートルもありますが、根茎には健康成分「わさびスルフィニル」が多く含有され、身体に有効に働くことが確認されています。

日経ヘルス2006年2月号によれば、ワサビの解毒力について、知らないうちに食物から摂取してしまう水銀などの有害金属が、ワサビを食べることにより体外に排出されるとの記載があります。

実験はワサビサプリメントで行われ、食事の条件を揃えて2回実施。夕食後にワサビサプリメントを飲んだ場合と飲まない場合を比較すると、飲んだ場合には尿中の水銀・砒素・鉛・カドミウムなどの有害金属が増えたとのことです。これはワサビを摂取し抗酸化力が増強した結果、解毒力が増したのではないかといわれています。

ワサビはすりおろした直後、アリル辛子油が出て辛味と香りが出、10分程で消えていきます。しかし、更にそのまま置くと辛味は消えるものの、健康成分のスルフィニルが湧き出し、身体によい食べ物となります。健康成分「わさびスルフィニル」は切るかすりおろすことにより細胞が壊され、生成されます。

健康成分のスルフィニルを最も多く含有する根茎は、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙などで包んでおけば冷蔵庫で2週間程保存できます。それ以上の保存はするおろしたものを手早くラップで包み冷凍するとよいとのこと、マヨネーズやアイスクリームと混ぜたり、ソーセージに付け合せたりと工夫して、慣れ親しんでいるワサビを有効に活用したいものです。