たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2009-07-06

Vol.247 熱中症対策

そろそろ本州も梅雨明けが近付いてきています。
今年の梅雨は高温多湿で、従来の梅雨寒という気温ではありませんでした。
梅雨が明けると気にかかるのが、熱中症です。

湿度が高いと、30度以下の室内でもなりやすいといわれる熱中症は、高齢者と若者に多く見られます。高齢者は汗をかく機能の低下により体内に熱がこもるために、屋内でも発生しやすく、一方、若者は運動中に水分や塩分が不足して発声する場合が多いといわれます。

熱中症の対策が、6月26日の日経新聞に記載されていました。記事は、日本救急医学会が行った2006年の熱中症患者に関する調査で、628症例中、年代別では20歳代が最も多く、次いで60歳代があげられました。

症状の程度は、若年層は75%が軽度であり、高齢者は30%が重度でした。また、労働現場で熱中症にかかり死亡し、労災認定された人については、3割は気温がセ氏30度以下、湿度60~80%だったとのことです。

人間の健康な身体は常に中心の温度を36~37度に保つようになっているので、外気の暑さや労働、運動などで体内に熱が発生すると、発汗により水分を蒸発させてこもった熱を体外に逃がさなくてはなりません。また、こもった熱を逃がすために皮膚表面の血管を拡張させて、外気で血液の温度を下げようとします。そのため、たとえ汗をかいても、湿度が高く汗が蒸発しなければ、熱中症になってしまうわけです。

熱中症の危険温度の目安は、セ氏32度。ちなみに、天気予報の気温は、日陰で風のある状態であり、真夏の晴れ日は予報より2度高い状態となるので、予報が30度で湿度が60%を超えたら熱中症要注意といえます。

これからの季節は、体内に熱をこもらせない工夫が大切です。
体温を下げる対策としては、室温を下げる、うちわであおいで汗を蒸発させる、首やわきの下、足の付け根の太い血管を冷やし、血液の温度を下げることなどです。
もちろんこまめな水分補給と塩分の補給も忘れずに、熱中症を予防したいものです。