たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2003-07-20

Vol.191 膀胱炎

少し前の話になりますが、夏至の夕刻、全国的に行われた2時間の消灯で、日本の気温は下がったのでしょうか。今年も暑い夏が想像されます。60年代あたりまでの夏は軒下に涼風が通り抜け、クーラー無しでも過ごせたものですが、最近の夏は外気が蒸れて、窓も開けられません。室内にクーラー無しでは過ごせなくなりました。

クーラーのある部屋で動かないでいると、膀胱炎になる人がいます。女性にとって冷えは大敵、膀胱炎は冷えや疲れが引き金となって発生しやすい泌尿器の病気です。膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる、女性に多い病気です。

膀胱炎には急性と、慢性があり、頻尿、排尿痛、残尿感、尿のにごりなどが起き、ひどいときは血尿が出たりします。急性膀胱炎の場合、原因の多くは大腸菌、ブドウ球菌、変形菌、腸球菌、緑膿菌などが膀胱の粘膜に感染して起きます。膀胱に細菌が侵入する経路には、尿道をさかのぼる場合、腎盂腎炎の原因菌が膀胱に下る場合、膀胱周囲の性器や腸の炎症となる原因菌が直接侵入する場合、扁桃腺や中耳炎の原因菌が血流で運ばれ膀胱に達する場合などが挙げられます。その他の原因として、膀胱に異物が入ったり、摂取した食物や薬剤などによる刺激、放射線治療の影響を受けた後、膀胱粘膜がアレルギー反応を起こした場合などがあります。

女性は尿道が短く括約筋も弱いので、膀胱炎のほとんどは女性です。まれに子供が起こすこともありますが、子供の場合、後遺症を起こさず、10日前後で治るといわれます。膀胱炎を男性が起こしやすい場合は膀胱炎以外の病気も考えられます。