たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2004-07-04

Vol.200 間食

ダイエットはしたいが間食はやめられないなど、案外多いのが間食にはまった人達です。いつも手元にお菓子を置いて、少量ずつ食べ続けるお菓子好きは、胃がすっきりしなかったり、便秘がちになったりと、体調が優れないことが多いものです。

健康作りの基本となるのはなんといっても胃腸の健全な働き。食事と食事の間隔を空け、胃腸を働き易くすることが、胃腸を健康へと導きます。

胃腸は8時間以上何も食べないとモチリンという酵素が湧き出ます。モチリンは胃腸の働きを活発にし、前の食事で一度消化吸収された後に残された食物のカスを再度絞り出して、胃腸を掃除します。
だいたいの人は睡眠中にこの現象が起こり、腸がグルグルと音をたてて掃除されますが、夜食などを摂るとモチリンが出にくく、きれいに掃除されない腸には宿便の元になるカスが残ります。
宿便は毎日掃除されない腸のカスから形成されるので、間食をしない胃腸には宿便が残らず、よい環境が保たれます。

間食は虫歯にも関係します。日経ヘルス04年7月号によれば、間食と虫歯の関係について、「よく間食する人には虫歯が多いというデーターがある」と記載されています。
理由として、食後酸性になった口中はしばらくすると唾液によって中性に戻りますが、間食することによって口内が中性に戻らなうちにまた酸性になり、「脱灰」が続くことを挙げています。

口の中には多様な細菌がいます。中でも虫歯の元凶となるミュータンス菌は砂糖を分解してベタベタした不溶多糖体を出すので、そこに多くの細菌が住みつき歯垢を作ります。歯垢の中には1mg中350種・2億個という細菌で溢れており、その細菌が食物中の糖分を分解し酸を作り出すとのこと、この酸が歯のエナメル質から浸透し、歯のカルシウムやリンなどを溶かし出すのが「脱灰」で、口内の酸性が虫歯を作る原因というわけです。

虫歯を防ぐ方法としてはフッ素入り歯磨きや食後のガムなどがありますが、自然の防御策は唾液による口内の中和、と記載されています。

ついつい気軽に食べてしまう間食ですが、胃腸にとっても口内にとっても厳しい結果となっているようです。