たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2010-05-14

Vol.250 ミトコンドリアを元気に

神経細胞が失われ、手足の震えや運動障害が起きるパーキンソン病。日本の患者数は推定15万人といわれます。
その中の10%は40歳までに発症する家族性の「若年性パーキンソン病」です。
「若年性パーキンソン病」は、遺伝子の変異によって細胞内に「異常なミトコンドリア」がたまるのが原因で、高齢者のパーキンソン病も同様の仕組みで発症すると考えられるということが、2010年4月20日の日経新聞に記載されていました。

ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを生産する小器官で、食事で得た栄養素と、呼吸で得た酸素とを使ってエネルギーを生産しています。

ミトコンドリアでは、細胞のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)を合成します。ATPを合成する際のエネルギーを使ってさまざまな化学反応を引き起こし、生命活動を維持します。例えば、筋肉を動かしたり、あるいは酸素を活性化させたりします。たんぱく質を合成するにもATPが必要です。

細胞が活動するにはエネルギーが必要です。
「異常なミトコンドリア」がたまるとエネルギーが生産できなくなる上、有害な活性酸素がでて、神経細胞が影響を受け、パーキンソン病につながるのではないかと、新聞記事には記載されていました。

元気なミトコンドリアは健康づくりの基本です。
肺機能を活発にし、酸素の取り込みを高める「冬虫夏草」の摂取は、ミトコンドリアの活性に役立ち、健康づくりに貢献するといえましょう。

2010-02-25

Vol.249 ワカメ

もうすぐ3月、実際はまだ寒いのに薄着がしたくなり、身体がすっきりする食べ物を食べたくなるのは自然のなりゆきです。
来るべき春に向かい、冬向きの食品などで体内にため込んだ脂肪を燃焼させ、発汗しやすい、春向きの身体にしなくてはならない季節が近づいているからです。

脂肪を燃焼させる身近な食品として、最も有効なのはワカメです。
日経ヘルス2010年3月号によれば、ワカメは、運動でも燃焼させにくいといわれる白色脂肪を燃焼させるばかりか、血中コレステロールを正常化させ、血圧も下げるすぐれものです。
また、ワカメは魚油と一緒に食べると脂質代謝がさらにアップし、ダイエットにも有効です。ワカメの脂肪代謝の有効成分は「フコキサンチン」で、ワカメと魚油を一緒に食べると、肝臓や血中の中性脂肪の値が一層下がる、と記載されています。

ワカメにはナトリウム、カリウム、カルシウム、カロチンなどの豊富なミネラルと、ビタミンK、ビタミンC、葉酸などの成分が含有されています。
美味しいワカメを食べて、フレッシュな身体で春を迎えてはいかがでしょうか。

2009-07-22

Vol.248 熱中症の症状

梅雨明けと同時に室内で36度という酷暑、この夏の暑さが気になります。
高温多湿の夏に向かい、熱中症の対応を知っておく必要があります。
運動中に発汗しすぎ、水分と塩分が不足して起きる熱中症は20歳代に多く、一方、発汗昨日の衰えにより体内に熱がこもる、室内で起きる熱中症は高齢者に多いといわれます。

起きる理由は異なっても、早い手当が必要です。熱中症は、軽度、中度、重度の3段階に分かれ、重度になると生命の危険にさらされます。

軽度の主な症状:
体内に熱がこもると、胸への血流が瞬間的に不十分となるために、めまい、失神、立ちくらみなどが起きます。また、発汗による塩分欠乏のため筋肉痛や筋肉の硬直(こむらがえり)などが起きます。

中度の主な症状:
疲労感の状態となり、頭痛、気分の深井、吐き気、倦怠感、虚脱感が起きます。

重度の主な症状:
呼びかけへの反応がおかしい、身体にひきつけがある、まっすぐに歩けないなどの意識障害が起きます。また、身体に触ると熱いという高温状態になります。

熱中症の対策として、温度と湿度の高い場所で顔色が悪くなり、手足が痙攣し、めまいや吐き気がする人がいたら、まず意識の確認をします。意識があれば涼しい場所へと移動し、衣服をゆるめ、あおぎ、濡れタオルなどで身体を冷やしてあげます。そして水と塩分を補給します。

ただし、意識がもうろうとしていたり、意識があっても自力で水分の補給が出来ない場合は、救急車を呼びます。救急車が到着するまでの間は、日陰の涼しい場所で衣服をゆるめ、身体を冷やしながら待機します。

並々ならぬ暑さに負け、熱中症にならないよう、普段から水分補給や栄養補給に配慮し、過労や寝不足などに注意したいものです。

2009-07-06

Vol.247 熱中症対策

そろそろ本州も梅雨明けが近付いてきています。
今年の梅雨は高温多湿で、従来の梅雨寒という気温ではありませんでした。
梅雨が明けると気にかかるのが、熱中症です。

湿度が高いと、30度以下の室内でもなりやすいといわれる熱中症は、高齢者と若者に多く見られます。高齢者は汗をかく機能の低下により体内に熱がこもるために、屋内でも発生しやすく、一方、若者は運動中に水分や塩分が不足して発声する場合が多いといわれます。

熱中症の対策が、6月26日の日経新聞に記載されていました。記事は、日本救急医学会が行った2006年の熱中症患者に関する調査で、628症例中、年代別では20歳代が最も多く、次いで60歳代があげられました。

症状の程度は、若年層は75%が軽度であり、高齢者は30%が重度でした。また、労働現場で熱中症にかかり死亡し、労災認定された人については、3割は気温がセ氏30度以下、湿度60~80%だったとのことです。

人間の健康な身体は常に中心の温度を36~37度に保つようになっているので、外気の暑さや労働、運動などで体内に熱が発生すると、発汗により水分を蒸発させてこもった熱を体外に逃がさなくてはなりません。また、こもった熱を逃がすために皮膚表面の血管を拡張させて、外気で血液の温度を下げようとします。そのため、たとえ汗をかいても、湿度が高く汗が蒸発しなければ、熱中症になってしまうわけです。

熱中症の危険温度の目安は、セ氏32度。ちなみに、天気予報の気温は、日陰で風のある状態であり、真夏の晴れ日は予報より2度高い状態となるので、予報が30度で湿度が60%を超えたら熱中症要注意といえます。

これからの季節は、体内に熱をこもらせない工夫が大切です。
体温を下げる対策としては、室温を下げる、うちわであおいで汗を蒸発させる、首やわきの下、足の付け根の太い血管を冷やし、血液の温度を下げることなどです。
もちろんこまめな水分補給と塩分の補給も忘れずに、熱中症を予防したいものです。

2009-05-25

Vol.246 新型インフルエンザの拡大

心配されていた新型インフルエンザが発生し、日本にも感染が拡大していま
す。
人のインフルエンザに感染している人が豚インフルエンザに同時に感染し、
体内で新型を作り出した「新型インフルエンザ」は、懸念されていた鳥イン
フルエンザの新型に比べ毒性は少ないとはいうものの、余病のある人にとっ
ては大変危険だとのこと、油断はできません。

新型インフルエンザの感染については、国立感染症研究所により想定が試算
されていました。(2007年1月19日日本経済新聞より)
記事は、国外で新型インフルエンザに感染した最初の患者が八王子市に住み、
東京駅付近へ通勤する場合を仮定し試算したもので、感染者が感染に気付か
ず4日間通勤すると、通勤と職場で30人が感染。その30人から6日間で750人、
8日間で8500人、9日間で3万人と雪だるま式に増え、10日目には12万人を突破
するとありました。またその試算では、感染は東京の他、神奈川、千葉、埼
玉3県全域と、茨城県南部にまで広がるとされていました。

試算に比べ、今回の感染の拡大は遅いようです。情報が行き渡り、感染を防
ぐ対策が功を奏しているからではないでしょうか。
ちなみに感染は飛沫感染が主で、患者に1メートルまで近寄ると感染、3日の
潜伏期を経て発病します。

インフルエンザ対策はマスクと手洗い、うがいです。また、普段から体力を
充実させるtことはなにより大切です。

体力の充実には必須アミノ酸を含む「霊芝」や、身体を活性化するキノコ
「冬虫夏草」などが役に立ちます。
まだ、薬草の「板藍根(バンランコン)」は、感冒・発熱・インフルエンザ
などに使用され、症状の緩和に役立っています。

2009-02-17

Vol.245 花粉対策

朝の公園は、歩く人やジョギングの人で賑やかですが、節分を過ぎた頃から
はマスクをつけた人が目につき、スギ花粉の季節を感じます。

スギ花粉は直径3/100ミリなので、市販のマスクを通過しません。
とはいえ、衣服に付着したり、外に干した洗濯物に付着したりと、完全にシャッ
トアウトするのは困難です。

2月7日の日経新聞によれば、花粉対策を日経生活モニターに聞いた結果、
2,863回答のうち、2人に1人が花粉症で、そのうちの15%は発症して3年以内と
いうことです。
モニターの花粉対策は、
*外出時にマスクをつける…571人
*市販の目薬を使う…361人
*うがい…265人
*市販の薬を飲む…263人
*空気清浄機を使う…156人
でした。

医師がすすめる花粉症対策としては、自己管理による発症・悪化の予防と医
療機関での治療、防腐剤の入っていない目薬を外出時に使うことなどが挙げ
られています。
目やにが多く出るので花粉症かと思っていたら、ウイルス性結膜炎だったと
いうこともあるので、目やに・腫れ・痛みがあれば、眼科での検査が必要と
のことです。

花粉が多く飛ぶ日にウールセーターを着て1時間外出すると、約10万個の花粉
が衣類に付着し、手で払っても落ちるのは2割だそうです。
ただ、静電気防止剤を使えば付着が半分になり、手で払えばさらに半分落ち
るとのこと。洗濯には静電気防止剤は欠かせません。

花粉対策で大切なのは、鼻や目などの粘膜を乾燥させないこと。
粘膜の潤いは花粉症対策の重要なポイントです。
当店おすすめは、
粘膜に潤いを与える「サメ軟骨粒」などのサプリメントです。

2008-11-28

Vol.244 緑茶で健康に

街にはクリスマスの飾りが目に付き、寒さも本格的になってきました。
秋から冬へと向かう時期、お腹の張りを感じる人が多くいます。夏場の冷たい飲み物やクーラーの冷えなどで腸の働きが鈍ってしまったためです。特に酷暑だった今年の夏は、昼も夜もクーラー漬けの毎日でした。暑さで疲れ、クーラーの冷えで疲れた腸は、温かいスープやけんちん汁などで全身を温めて回復させるのが一番です。

腸の元気は身体の元気。腸が疲れれば免疫力も低下します。
通常より一ヶ月以上早いといわれるRSウィルスの流行も、暑かった夏で腸が疲れたことと案外関係あるのかもしれません。

腸の病気に大腸ガンがあります。そのガンのもとになるポリープの再発抑制に、緑茶成分のカテキンが有効であることが確かめられたとの記事が、2008年10月12日の日経新聞に記載されていました。
記事によれば、岐阜県内の4病院が参加し、大腸ポリープを内視鏡で切除した135人のうち、緑茶の錠剤3錠(計1.5g、6杯分)を毎日飲んだ60人と、飲まない65人を、1年後に内視鏡で検査し比較したところ、ポリープの再発率が、飲んだ人15%、飲まなかった人21%となり、カテキンがポリープの再発抑制に有効であるとの結果を得ました。
さらに、緑茶の錠剤を飲んだ人のポリープは小さい傾向もありました。
ただ、緑茶の錠剤を飲んでも、摂取量が少ないと、再発率は60%と高く、摂取量が多い人ほどポリープの再発が抑制されたとのことです。

緑茶については3年前、緑茶に含まれる渋み成分エピガロカテキンガレートが、アルツハイマー型痴呆を予防するとの記事も発表されました。

口内の清浄効果もあるカテキンを含む緑茶は、一年を通して、毎日飲む習慣を身につけたいものです。