たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2004-05-17

Vol.198 尿酸とプリン体

運動不足と遅い時間に食べる高カロリーの夕食は、体の排泄を鈍らせます。
中高年の男性に多いと言われる痛風は、このような環境から生まれ易いものです。
痛風を引き起こす高尿酸血症は、遺伝的な体質や降圧利尿剤の長期服用に起因する場合もありますが、多くは高カロリー食の摂り過ぎやアルコールの飲み過ぎ、肥満などが原因です。

尿酸は不用になったプリン体が変化した物質です。
プリン体は生物の細胞の核に含まれる成分で、細胞の新陳代謝の後再利用されますが、再利用されなかったプリン体は肝臓で分解されて尿酸となります。

体の細胞は新陳代謝により常に入れ替わっています。古い細胞は壊され、新しい細胞に生まれ変わります。壊された細胞のほとんどは再利用されますが再利用されない細胞もあり、それは形を変えて体外に排泄されます。
プリン体の場合は肝臓で分解され、尿酸に変わり、血流に乗り腎臓へ運ばれ、尿と一緒に排泄されることになります。

体内のプリン体が適量であり、排泄機能の働きが活発ならば問題はありませんが、プリン体が過剰になったときや、腎臓の働きが低下し尿酸を排出しきれなくなったときは問題です。
血液中の尿酸が増え、水に溶けにくい性質を持つ尿酸は関節の周囲や腎臓に溜まり、痛みを引き起こしたり腎臓の働きを低下させたりします。
特に、運動不足の人が高カロリー食を食べ続けることは要注意です。
血液中の尿酸が増えないよう、エネルギーの消費量に合わせた食物の摂取が大切となります。

プリン体を多く含む食品として、肉やモツ、タラコ、イカ、エビなどが挙げられます。日本酒やビールなどの飲酒もプリン体を増やします。