たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2006-03-19

Vol.220 ワサビ

新緑の山の麓、澄んだ流れの中に育つ「ワサビ」は白い花が可憐です。
ワサビは刺身好きの日本では欠かせない薬味で、生ものの臭みを消し、食欲を増進させると共に食中毒や寄生虫の害を防ぐことが知られています。しかし、ワサビの持つ働きはもっと多彩で、様々な効果が判明していることが、日経ヘルス2006年3月号に記載されています。記事によれば、ワサビは解毒作用、発ガン予防作用、抗酸化作用、ピロリ菌増殖抑制作用、抗菌・抗寄生虫作用、血栓を防ぎ血液をさらさらにする作用などを持つとのことです。

辛くて独特な香りのワサビ。ワサビの辛みや香りの成分は揮発性で、すりおろすとパッと生まれて短時間で消えますが、密閉容器に餅などと一緒に入れておけば、揮発成分の強力な抗菌作用によりカビが生えることなく保存できます。

ワサビで最も注目される成分は「わさびスルフィニル」と呼ばれる健康成分で、すりおろした10分後から湧き出て、じわじわと数時間も生成反応を続けます。「わさびスルフィニル」ハ肝臓の解毒酵素・GSTを活性化し、解毒力を高め、活性酸素の消去を早め、発ガンを予防します。

「わさびスルフィニル」は血流の改善もします。実験によれば、すりおろしたワサビの根茎5gを食べた1時間後、14人中13人の血流がアップ、摂取前に平均通過時間が71.3秒だった人達が、摂取後は53.0秒に改善されたと記載されています。

ワサビの摂取量は1日1回5gが目安で、健康成分は食べてから3日間有効に働きます。なお、市販されているチューブ入りワサビは、副原料を使用しているので健康成分は少ないとのことです。