たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2007-01-23

Vol.230 新型インフルエンザ

最近、新聞には毎日にように鳥インフルエンザの記事が掲載されています。養鶏場で発生する、トリからトリへと感染する鳥インフルエンザ。最近、宮崎県の養鶏場で発生したものは毒性の強いH5N1であると判明しました。
日本でのH5N1型インフルエンザウィルスは2004年以来5例目とのことですが、同型ウィルスは世界的に感染が拡大しており、大きな問題になっています。

今まで、鳥インフルエンザはトリからトリへの感染であり、ヒトへ感染する場合は鳥の飼育にかかわるなど、鳥と接触する人のみに感染する程度でした。しかし、もしウィルスが変異し、「新型インフルエンザウィルス」が誕生した場合は、猛威をふるい、ヒトからヒトへの感染を拡大し多くの死者を出すことが懸念されています。

鳥インフルエンザの、トリからヒトへの感染について、科学誌ニュートンでは2004年5月号の時点で詳しく解説されていました。
1997年香港で18人がH5N1型に感染し、6人が死亡。
1999年香港でH9N2型が発症。
2003年香港でH5N1型が発症。オランダでH7N7型に約80人が感染、1名が死亡。
2004年、H5N1型にベトナムで19人、タイで8人が感染し、内20名が死亡。
いずれもヒトからヒトへの感染ではありませんが、ベトナムでは一部ヒトからヒトへの感染があったとのことです。

発熱、呼吸器症状、肺炎など重い症状になる危険な鳥インフルエンザは、今のところ鳥からヒトへ感染した後、ヒトからヒトへの感染はないとされています。しかし、もし、従来型のインフルエンザに感染している人間が鳥インフルエンザに同時感染してしまったら、その人の体内で一つの細胞にウィルスとウィルスが感染し、遺伝子を交換して新型のインフルエンザウィルスを作り出す可能性があるとのこと。

「新型インフルエンザウィルス」誕生を防ぐため、WHOは感染した鶏と接触する可能性のあるヒトに、ヒトインフルエンザワクチン接種をすすめ、同時感染を防ぐ対策をとっています。