たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2008-09-01

Vol.243 乳製品とカルシウム

牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品に含まれるカルシウムを摂取すると、脳卒中になるリスクが最大で31%も軽減するとの疫学調査結果が、7月29日の日経新聞に記載されていました。

記事によれば、全国の40~59歳の男女約4万人のアンケートをもとに、乳製品からのカルシウム摂取量を、多い順に5つのグループに分け、脳卒中の発症リスクとの関連を調べました。

追跡期間は13年間で、期間中に1,321人が脳卒中になりましたが、乳製品の最も摂取量が多いグループ(1日あたり120~130mg)は、最も少ないグループ(ほぼ0)に比べ、脳卒中になるリスクが31%も低かったとの結果がでました。

カルシウムの働きには、
・骨や歯を作る
・細胞の情報伝達に関係する
・心筋の収縮作用を増す
・筋肉の興奮性を抑制する
・刺激の感受性を鎮める
・酵素作用の活性化
などがありますが、
この他、カルシウムには高血圧を防ぐ作用や血液が固まることを防ぐ作用もあるので、このようなことが脳卒中を予防したとみられています。

乳製品のカルシウムは、他の食品に含まれるカルシウムに比べ、特に血中への吸収効率が高いとのこと。野菜や豆類に含有するカルシウムには、同様に調べた結果、脳卒中を予防する効果は認められませんでした。

乳製品のカルシウムは、牛乳200ccに200mgが、スライスチーズ1枚やヨーグルト1パックには100mgが含有されます。

手軽にとれる乳製品で脳卒中が予防できるのは朗報です。
ただ、コレステロール値が高い人は、低脂肪の製品にするなど、適度な摂取量を心がけることが必要です。