たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2007-02-11

Vol.231 新型インフルエンザへの対応は

毎年流行するインフルエンザ。過去の免疫があると思ったのに、また感染してしまうのはなぜでしょうか。ニュートン(2004年5月号)によれば、インフルエンザウィルスは毎年小さな変異を繰り返しながら発症するのだとか。

インフルエンザウィルスは、構造によりA型、B型、C型に大別され、そのうち人に感染するのはA型とB型がほとんどで、これまでスペイン風邪など世界的に大流行を引き起こしたのはA型のウィルスでした。
A型ウィルスはウィルス表面にHAとNAという二種類のスパイクを持ち、HAは細胞内に侵入する際に働き、NAは細胞内部で増殖したウィルスがコピーを増産し撒き散らすために細胞外へ出る際に働きます。
A型うぃるすはこのスパイクの構造によってさらに細かいタイプに分かれ、HAには1~15、NAには1~9までの亜系があり、その組み合わせによって135通りものタイプが存在します。

135通りもあるウィルスには病原菌の強弱もあり、感染する動物などにも違いが生じます。インフルエンザが毎年発症するのは、組み合わせの違い(ウィルスの小変異)のためと考えられています。
しかし、もし鳥インフルエンザとヒトのインフルエンザが、ある人に同時感染し、その体内で「新型ウィルス」が作られるなどウィルスの大異変が起きたとしたら…。「新型インフルエンザウィルス」に対しての免疫を持たない世界中の人々の間で大流行することが懸念されています。
毒性の強い鳥インフルエンザが生み出す、ヒトからヒトへ感染する「新型インフルエンザ」。その誕生は時間の問題と考えられています。

2007年1月19日付の日本経済新聞によれば、新型インフルエンザウィルスH5N1に対応するワクチンは、日本国内においての備蓄は少なく、1千万人分のため医療関係者や警察、電気、ガス、水道の関係者など社会機能維持に不可欠とみなされる人を優先的に使用するとのこと。仮に新型インフルエンザが発生した場合、他の人は「オセルタミビル(タミフル)」を投与すると記載されています。

「オセルタミビル(タミフル)」は、インフルエンザウィルスが感染し、ヒトの細胞内で増殖したあとコピーを撒き散らすため細胞外に出ることを防ぐ作用を持ちます。昨年インフルエンザで服用した方の話によると、劇的な効果があったとのことでした。