たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2005-01-19

Vol.204 新型インフルエンザの予想

年明けと共に寒さが増し、風邪の治らない人が多くいます。
出来ることなら頂きたくないのがインフルエンザウイルスですが、今までにない病原性と感染力を持つことで誕生が懸念される「強毒性新型インフルエンザウイルス」について、ニュートン2005年2月号に書かれていました。

この記事の内容は「強毒性新型インフルエンザウイルス」が既に誕生したということではありません。
2003年12月に韓国での報告により明らかにされた「強毒性のH5N1鳥インフルエンザ」が、東南アジアなどで鳥から鳥へと感染を拡大するうちに、ブタや猫、虎などの哺乳類に感染し、遂には人に感染したことをWHOが受け、「強毒性のH5N1鳥インフルエンザウイルス」が、ヒトからヒトへと感染伝播する「強毒性新型インフルエンザウイルス」に変異する可能性を懸念したものです。

鳥インフルエンザは鳥から鳥へと感染するインフルエンザです。ヒトに飼育される鳥の中には特に感染しやすい鳥がいて、感染したニワトリの場合は100%が死ぬといわれます。
強毒性のH5N1鳥インフルエンザは、2003年12月に韓国でニワトリとアヒルが感染により多数死亡し、2004年1月からはベトナム・日本・カンボジア・香港・ラオス・インドネシア・中国と感染が拡大していきました。

鳥から鳥へと感染する強毒性のH5N1鳥インフルエンザは、感染を拡大するうち、やがてヒトへの感染がみられる様になり、2003年10月以降のヒトへの感染は44人、そのうち33人が死亡する事態となりました。強毒性のH5N1鳥インフルエンザについて、各国とも終息宣言をした後での流行で、2004年12月現在、韓国と日本のみが流行を防止しています。

もし、この「H5N1鳥インフルエンザウイルス」がヒトからヒトへと感染伝播する完全な能力を獲得したら・・・。
現在、ヒトからヒトへと伝播する「強毒性新型インフルエンザウイルス」の誕生は確認されていません。
しかし、「強毒性新型インフルエンザウイルス」に対応するワクチンなどの準備は、日本では既に進められているということです。

2005-01-06

Vol.203 肌の乾燥

新年おめでとうございます。年の瀬に心配された野菜の価格も案外安定し、白菜や大根・里芋など、美味しい野菜が安心して買えるのは有難いことです。今年も野菜をたっぷり食べて美肌を作りたいものです。

一年中肌の痒みに悩まされ、原因を調べても分からない人が多くいます。痒みを防ぐために体をゴシゴシ洗えば洗うほど皮脂が落ち、乾燥してしまう肌。乾燥肌には肌の善玉菌が住めません。
肌には常在菌が沢山住んでいます。常在菌には善玉菌や悪玉菌があり、それらは肌の環境に応じて入れ替わります。
肌が弱酸性ならば善玉菌が増え、中性ならば悪玉菌が増えます。善玉菌が多い肌は痒みなどのトラブルが少なく、悪玉菌の多い肌は痒みや湿疹などのトラブルが多い肌です。日経ヘルス2004年12月号に、肌の乾燥は肌に住む悪玉菌の働きに関わることが記載されています。

肌の健康は善玉菌により守られるわけですが、善玉菌を増やすには肌の環境が弱酸性であることが条件となります。
肌の潤いに関わるのはヒアルロン酸やアクネ菌です。肌内部の保湿にはヒアルロン酸が、肌表面の保湿にはアクネ菌が働きます。アクネ菌は皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解し肌の表面に送り出す他、皮脂からオイレン酸やパルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸を作り出し、肌を弱酸性に保ちます。

弱酸性が嫌いな悪玉菌の中に、悪玉菌に代表される黄色ブドウ球菌があります。黄色ブドウ球菌は中性の肌で増殖し毒素を出し、肌を痒くします。更にヒアルロン酸を溶かす酵素を出し肌の潤いを阻害し肌を乾燥させます。
しかし、こんなふうに悪い菌でも肌が潤っていれば心配ありません。弱酸性の環境では恐ろしい緑濃菌も住めないのです。

肌に住む菌の数は1兆個。善玉菌が多ければ肌は潤い、悪玉菌が多ければ肌は乾燥します。善玉菌に守られるか悪玉菌に攻撃されるかは常在菌のバランス次第なので、大切な肌は自分自身が作るものといえます。