たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2005-03-04

Vol.207 花粉症が始まる

春一番と共に飛散するスギ花粉、今やスギ花粉は花粉症の元凶としてすっかり有名になりました。日本人の5人に1人が、鼻水・鼻づまり・目の充血・めやに・頭痛・耳の痛み・頭がぼうっとするなどの花粉症に悩まされています。

花粉が最も多く飛び交う時間は10時から14時、この時間の外出を避ければよいのですがそうもいきません。テレビからは連日花粉症の対処方が流れます。マスクで花粉を防ぐ、つるつるした素材の衣服の着用で花粉を付きにくくする、妊婦などで薬を服用出来ない人の鼻づまりには、温かく濡らしたタオルで湿布するなどが紹介されています。

花粉症は免疫の過剰反応といわれます。
ニュートン2004年5月号によれば、免疫とは、体外から侵入したウイルスなど、害を及ぼす異物に対抗する抗体により、異物を破壊する防御システムであると記載されています。

抗体はタンパク質で作られます。ウイルスなどが侵入すると、ウイルスにピッタリあてはまるような抗体が作られると同時にウイルスも記憶します。そして再び同じウイルスが侵入すると、いち早く抗体を作り、ウイルスを破壊します。免疫系は一度覚えたウイルスを何十年も忘れず、再び入ったウイルスに対し抗体を作り攻撃するので、麻疹などは、一度罹れば二度と発病しないというわけです。

花粉の場合、花粉は有害物質ではないので本来抗体はあまり作られないのですが、大量の花粉を取り込むことによりIgEという種類の抗体が大量に作られ、肥満細胞の上に乗って新たな花粉を待ち受けます。再び同じ花粉が取り込まれ、花粉と抗体が結合すると肥満細胞はヒスタミンという化学物質を放出するので、これにより炎症が起きるのが花粉症です。

元来有害なものではなかったはずの花粉。それなのに抗体が生産される理由として、スギ花粉の飛散量が増えたことに加え、ディーゼル車の排気ガスが影響しているのではという説は、経験からうなずける気がします。

花粉が付着したとき、粘膜に潤いがあれば粘液で洗い流し炎症を防げるので、粘膜の潤いは大切です。
漢方的な対処方として、粘膜の潤いにはビタミンAが豊富な八つ目ウナギの肝油の摂取、粘膜を丈夫にするコラーゲン豊富なサメ軟骨粒の摂取などが考えられます。
炎症又は予防に対しては、シジュウム茶や甜茶の飲用、マッシュルーム粒の摂取などが考えられます。マッシュルームは含有成分のポリフェノールにより炎症の消去をはやめます。